静岡市美術館で開催されている「シャガール展」に行ってきました!

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突如静岡に行く用事ができたので、ついでに静岡市美術館で開催されている「シャガール展」をみてきました。



20世紀を代表する画家の一人、マルク・シャガールの作品展です。
今回の展示会では、シャガールのモニュメント(記念碑的作品)を中心に236点の作品が公開されています。

静岡市美術館で開催されている「シャガール展」に行ってきました!
静岡市美術館。
市街地にある美術館です。
2010年に出来たばかりなので、外も中もとってもキレイ。

静岡市美術館で開催されている「シャガール展」に行ってきました!
チケット購入。
適度に混んでいた。




展覧会の感想をかく前にシャガールの生涯を簡単にご紹介します。

シャガールが生きた時代は、 1887年~1985年。
ロシアのユダヤ人の家庭に生まれています。
この時代は世界情勢が不安定だったため、ロシア⇒ドイツ⇒フランス⇒アメリカ⇒フランスとシャガールは安息の地を求めて世界を転々としていました。
第二次世界大戦中には、ヒトラーに作風を「退廃芸術」と言われ、燃やされたり、見せしめにされたりとひどい目に合っていましたが、
(この時シャガールは、ナチスの迫害を避けて、アメリカに亡命中。)
ようやく戦争が終戦した二年後にパリに戻り、フランスに永住することを決意します。
この時のシャガールは60代。
南仏コートダジュールで、ようやく創作活動に集中できる安寧の地を手に入れたのです。
今回の展覧会の中心であるモニュメントの多くが、コートダジュールに移り住んだ、60年代以降の作品となります。




パリ・オペラ座の天井画や、ニューヨークのリンカーンセンターのタペストリー、エルサレム・ハダサー医療センターのステンドグラスの下絵など日本初上陸の作品が多数展示されていました。

展示会の構成はこんな感じでした↓↓

第1章 祝祭の空間・色彩の交響
パリ、オペラ座の天井画やリンカーンセンターのタペストリーなど、下絵や映像が多数展示されていました。

第2章 精神の光・祈りの造形
1950年代に制作された、壁画やステンドグラスなど、宗教建築のための作品が主になっています。
この時期に制作した作品を通して、東欧系のユダヤ人であるシャガールは自らのアイデンティティを見つめ直していたのだとか。

第3章 南仏での安息・晩年の境地
南仏コートダジュールに移住したシャガールが、安息の地で作り上げた作品
陶芸、レリーフ、タペストリーなど



1つの作品の初期ラフスケッチから最終下絵まで、余すことなく展示された贅沢な展示会でした。
初期のラフスケッチから最終下絵までの制作過程を追える形で展示されていたので、
大きなモニュメントがどのように出来ていったのかを知ることができます。

たとえば上の一枚目の画像にもうつっているオペラ座の天井壁画。
最初はパステル調のいろんな色の点からはじまっていました。
まず色のバランスから入ったのですね
最終的には、二枚の下絵を作り、パリの市長に選ばせたのだとか。
最終下絵は隣合わせで展示されており、比較してみることができました。
どちらも素敵でした。

そういえばシャガールは「愛の画家」と言われています。本展示会では、安息の地でシャガールが描いた、いろんな愛が見られる貴重な展示会となっていました。


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シャガール展
静岡市美術館
2014年1月2日~3月30日
10:00~19:00
休館日:月曜日
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